平成30年度税制改正要望事項 相続関係?

平成30年度税制改正要望事項 相続関係?

こんにちは、東京都文京区本郷三丁目駅徒歩4分の谷澤佳彦税理士事務所です。

平成30年度税制改正要望事項相続関係その4です。
文化庁からの要望事項です。
「美術品・文化財に係る相続税の納税猶予の特例の創設」があがっています。

現在、相続税等申告において、美術品や文化財について、これらに精通する人の意見を取り入れた時価で評価します。
当然、土地などと同じように相続税は現金納付です。

文化庁に資料によりますと、この5年間で相続税申告件数は10件弱とのことです。

美術品等を相続しても現金納付ですから、納付できない場合、美術品等の売却が行われかねません。
そうすると、次の所有者に美術品等が移転しますが、文化庁がその後の所有者を把握し切れないことが起こり得ます。
また、貴重な美術品等の所有者が多くなり、美術品等が散在することも起こり得ます。
さらに、博物館等に展示されている、博物館から見ると借物である場合、博物館が借りられなくなる可能性もあります。

こういった事態を回避するため、
?美術品の所有者である個人が、寄託期間中は解約できない旨の定めがある条件で寄託し、相続または贈与を受けた者もその条件を維持する場合
?相続または贈与により美術品を取得した個人が寄託期間中は解約の申し入れができない条件で寄託する場合
相続税または贈与税の納税猶予を求めています。
また、保存活用計画が策定された文化財についても、相続税または贈与税の納税猶予を求めています。

相続税等の申告においては非常に件数の少ない事例です。
しかし、少ないからといって放置したため、後年、貴重な美術品や文化財が誰が所有しているのか把握できない事態が起こってからでは遅すぎます。

貴重な美術品や文化財を護るため、本規定が制定されることを望みます。

※税理士による文京相続相談室(谷澤佳彦税理士事務所)では、相続に関するご相談を初回面談相談無料にてお受けしております。

2017年9月7日