農地の売却

農地の売却

こんにちは、東京都文京区本郷三丁目駅徒歩4分の谷澤佳彦税理士事務所です。

今日は農地の売却のお話です。
農地の売却、私自身の話です。
相続で取得した農地を売却しようと動いており、話が進んでいます。
将来は分譲住宅用地となる予定です。

農地の売却は容易ではないことを知っていただきたく、投稿します。
とりわけ都心でない所の話です。

農地でも、農地として農業従事者(農業委員会に登録されており、耕作面積は原則1,000?以上)に売却するのは難しくありません。
農地を非農地とする目的をもって売却するとなると様々なハードルがあります。

まずは農地法です。
地元の役所の農業委員会の許可が必要です。
今回売却しようとしている農地、農地法に加え、更に農業振興地域の整備に関する法律、略して農振法の規制のある地域です。

農地法は食料自給を目的とした農地の保護が目的です。もっとも一方で減反政策があり、農地の耕作をさせていませんが。
農振法はその農地をさらに強力に保護するもので、一定の地域を農振法の対象としています。
農振法では、同地域を原則として(建前論ですが)、非農地化することは認めません。
ただ、農振法地域であっても、場所によっては非農地化の申請が結構認められます。
農振法の規制の厳しい地域と、ゆるい地域があるのです。

今回の売却対象、農振法の対象地域です。
非農化することを、農振除外申請といいます。
農振除外申請ですが、都道府県知事認可となり、年に数回(都道府県によって違います)しか受付がありません。
受付後ですが、除外申請認可まで更に数ヶ月かかります。
農振除外認可まで、売却話がまとまってから数ヶ月?1年かかるのです。

ちなみに私の所有する不動産の地域、農振法の規制は比較的ゆるい地域です。
なので、売却話が進んでいます。

さて、農振除外認可の次は、市町村の農業委員会の許可申請となります。
農振除外申請が通れば、農業委員会の許可は比較的容易に通ります。

ここまで平均して1年?1年半の道のりです。

これで売却が進んでも、更にもう1つ、山があります。
それは文化財保護法です。
文化財が埋もれている可能性がある地域であれば、地元の役所の教育委員会立会いの下、土を掘ります。
試掘してみて、埋もれていないようであれば、それで話は終了です。
埋もれている可能性があれば、本掘りとなり、採掘費用は土地所有者の負担となります。
当然、本掘りの間、土地の売買はできません。
また、文化財が見つかった場合、保全を命じられる可能性もあります。

文化財埋設の可能性がないと判断されれば、ようやく土地の売買完了となります。

農地の宅地化を目的とした売買、地域によってはこんなに大変なのです。
以上、農業を行わない農地所有者の税理士の戯言でした。

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2018年5月15日