令和6年度税制改正要望書6 特定の居住用財産の譲渡損失の損益通算特例

令和6年度税制改正要望書6 特定の居住用財産の譲渡損失の損益通算特例

こんにちは、東京都文京区本郷三丁目駅徒歩4分の谷澤佳彦税理士事務所です。

令和6年度税制改正要望のお話その6です。

今回からは所得税(住民税)のお話、個人の居住用財産(自宅)の売却損についてです。

不動産の売却(譲渡)益は分離課税といって、他の所得と合算しません。
すなわち超過累進税率(所得が上がるほど高い税率を課す)とは別物です。
分離課税の特例は、株式等の売却益や退職金などがあります。

不動産譲渡益は分離課税ですが、売却(譲渡)損はどうなるのでしょうか。
同一年内に他の不動産譲渡益があれば、その譲渡益と損益通算します。
譲渡益がない場合や、損益通算しても譲渡損が残る場合、原則として税務に恩典はなく、譲渡損は課税計算外に置かれます。

これだと中古不動産の流通が進まなくなる可能性があります。
そこで、自宅の売却に住宅ローンを抱えたままの譲渡損につき、恩典があります。
細かい計算方法は省略しますが、譲渡損失のうち一定金額を例外的に他の総合所得と損益通算の対象とする制度です。
譲渡損失のうち、損益通算に利用できなかった金額は翌年以後3年間繰り越して、他の総合所得と損益通算できます。
ただし本制度。一定の年収制限があります。

本制度が本年末をもって適用期限を迎えます。
この制度の適用期間を2年間、延長を求める声が国土交通省からあがりました。

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