相続税の申告期限と徘徊

相続税の申告期限と徘徊

こんにちは、東京都文京区本郷三丁目駅徒歩4分の谷澤佳彦税理士事務所です。

ご相談のあった事例を紹介します。

相続税の申告期限に関することです。
相続税の申告期限は、お客様には簡単には「死亡日の10ヶ月後の応答日(31日に死亡、10ヶ月後に31日がない場合は月末)」とお知らせしています。
ただし、法律の条文は
「相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内」
となっています。
決して死亡日を基準とはしていません。
実務上、何らかの事情で相続開始を知るのが死亡後数日遅れであることがありますが、これを証明することは困難なことが多く、死亡日の10ヶ月後が慣例です。

さて、今回相談のあった事例ですが、被相続人には徘徊癖があり、行方不明となっていたそうです。
警察にも捜索願を提出、ようやくこの2月に遺体で発見されました。
警察の推定死亡日は昨年8月です。
このような場合、相続税の申告期限は今年6月ではなく、12月となります。
「相続の開始があったことを知った日」が相続税申告期限の計算開始日です。

相続の開始のあったことを知った日は合理的に説明できますし、警察が2月に初めて相続を知ったことを証明してくれます。

相続を知った相続人が、意図して他の相続人に知らせないこともありますが、これを証明できない限り、相続税の申告期限は死亡後10ヶ月以内です。

※税理士による文京相続相談室(谷澤佳彦税理士事務所)では、相続に関して初回無料面談相談を積極的にお受けしております。

2019年2月13日