単位未満株と端株

単位未満株と端株

こんにちは、東京都文京区本郷三丁目駅徒歩4分の税理士・谷澤です。

ご相談のあった事例をご紹介します。

相続において、有価証券が財産に含まれていることが多く見受けられます。とりわけ株式が多いでしょうか。

上場会社においては、かつては株券が発行されていました。
現在は登録制度になり、紙の株券は有効性を失っております。
原則として証券会社の口座に電子登録され、紙から電子に移行した際、証券会社の口座に移行しなかった株式は信託銀行等の特別口座に保管されています。

株式市場で取引される株式ですが、多くの企業が売買単位を設けています。100株であったり、10株であったり、会社によりマチマチです。
この売買単位、株主総会での議決権行使の1単位となっています。
この1単位に満たない株式、株主として配当金を受領する権利などは有しますが、株式総会での権限はありません。

この1単位に満たない株式を「単位未満株式」といいます。

よく似た言葉で「端株(はかぶ)」という用語があります。
端株も単位未満株式の一種なのですが、端株は1株未満の株式、例えば0.5株などをいいます。
かつては端株も株式として有効なのですが、株式の電子化に伴い、上場会社では姿を消しました。
株式分割などで1株未満の株式が割り当てられた場合、その会社は端株を集めて1株以上の単位として株式市場で売却します。
そして株主には端株数に応じて売却代金を支払います。

さて、今回のご相談は相続に関する調停です。
調停文書では法定相続人が数名で株式を等分して分割することになっています。
分割計算の際、「計算の際、端株が生じた場合、・・・」となっているが、「単位未満株式の取り扱いは?」ということでした。

証券用語を理解していないと相続調停文書が理解できない結果を招きます。
とはいうものの、証券取引経験の少ない方には難解な用語です。


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2016年4月21日